facebook_UP2018.06.13

伽数奇のFairy tale 002_04

ノモンハン空戦からの発想

第4話 キ-27 97式戦闘機
 97式戦闘機の前は、水冷エンジンを搭載した複葉戦闘機、川崎キ10の95式戦闘機を陸軍は使用していた陸軍は、初めて制式に、低翼単葉・単発・単座の戦闘機を要求した。

 試作命令の仕様に、最大速度450km/時以上、上昇性能は5000mまで6分以内、武装7.7mm機関銃2挺、そしてできるだけ軽量で空戦性能良好なことを要求されている。


95式戦闘機

制式採用となったキ27中島の97戦闘機の初号機は、なんと仕様の出された、9ヶ月後の昭和11年11月に完成している。そしてその性能は、

 最大速度は高度4000mで460km/時、
 巡航速度 330 km/時、
 着陸速度 150 km/時、
 実用上昇限度 1万2250 m、
 航続距離 627 km、
 そして5000mまでの上昇時間は5分22秒だった。

 戦後の陸上自衛隊で航空教育を受けた者として、恥ずかしながらMKS単位系は体感に響かないので、換算を余儀なくされる。

 最大速度は高度 13123 ft で 248 kt、
 巡航速度 178 kt、
 着陸速度 81 kt、
 実用上昇限度40190 ft、
 航続距離 338 nm(海里)、
 そして16404 ft までの上昇時間は5分22秒。

97式戦闘機
 
 当時の性能計測とその標準化の手法はよく分からないながら、これは驚異の性能だ。本当なのかと驚愕する。

 この頃の列強国戦闘機の水平最大速度は、

 英国のブルストル ブルドッグ戦闘機 153 kt、
 同じく英国ホーカー ニムロッド戦闘機 159 kt、
 米国ボーイング F-4 ワイルドキャット戦闘機 153 kt。
 速度だけを狙ったものでも 220 kt を超える戦闘機は欧米にはなかった。
ブルドッグ戦闘機 ニムロッド戦闘機 ワイルドキャット戦闘機


 そんな時代であったから、陸軍97式戦闘機の 248 kt は、海軍 96 式艦上戦闘機の 243 kt と共に、世界の航空趨勢のなかで、奇蹟と云ってよい。



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