「姫神の来歴」
新潮社
高山貴久子(こうやまきくこ)
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7年まえ、義父の書庫からせしめてきた本。高山貴久子(こうやまきくこ)さんの「姫神の来歴」新潮社を再読した。一読目は物凄くひかれたのだけれど、出雲から岐阜への引っ越しなどで斜め読みだった。今回はじっくり読んだ。
国つ神と天つ神の総点検だ。副題に「古代史を覆す国つ神の系図」とある。高山女史の思考と踏査の過程をGoogleEarthで追体験しつつ。
いやはや便利なツールができたものだ。GoogleEarthの舟に乗り高天原よろしくチョイと降臨すれば、ゆきたいたころに自由自在。それに由緒ある地点はたいがいストリートビューがかなり濃密に迎えてくれる。鳥居をくぐり神社もうでもかなりのリアルさ。GoogleEarthはしばらく使ってなかったので、その進化と利便性に腰が抜ける思いした。で、その先にはたいていリンクが貼ってあるので、いちいちググらなくても関連の調べ物ができてしもう。もう唖然というほかない。
で、高山さんはその本の中で添付写真で示した57の神社や言い伝えの残る地跡で縦横無尽に歴史を語る。彼女の巡った57の神社などのうち、私は19ヶ所を訪れていた。国つ神とは。天つ神とは。天照大御神は。素戔嗚尊は。大国主命の国譲りとは。陳腐な形容だが推理小説をこえるスリルとサスペンス。未踏の神社など是非でかけたい。
彼女は「この旅を通して、確固とした日本像を、自信をもって描けるようになた」と記している。彼女の後書きは東日本大震災の1年後に、戻ることのない死の床で記されている。この言葉に続く彼女の最後の言葉に心を揺さぶられる。だがそれをここに書いてしまうのは冒涜に思えるので自粛する。彼女はこの本の上梓を見ることなくその直前に夭折されてしまった。夢の中で啓示を受けてのち、10年に及んだ踏査と思考と啓示による力作で、いにしえの日本人のほとばしる魂の叫びが聞こえる気がした。
下の写真は「姫神の来歴」に登場する地跡

下のリンクはそれぞれの場所へGoogleearthで確認することができます
(Googleearth使用環境が必要です)
右クリックで新しいタブで開くと便利です!
↓
https://drive.google.com/open?id=1NBp3Q-RPT5a1ncW4g8fOJXmroceKjqY_&usp=sharing
おわり
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http://www.mf.ccnw.ne.jp/~ad32901/kasukisns/kasukisns.htm