April 18 2008
       Bryan Beller Interview


   

やあBryan!こうやって久しぶりにインタビューが出来て嬉しいよ。
先ずは最初の質問だけど、多くのZappaファンはAdrian BelewNashvilleに住んでいる事はよく知られているけど、アメリカで”Music City”と呼ばれている場所にそもそも住もうと思ったきっかけは何だったのかな?それとLAと比べてどう?


Chester Thompsonも実際このNashvilleに住んでいるよ。だからZappa band出身者が二人ここに住んでいることになるね。正味な話で僕がNashvilleに引越すことの理由の一つにKira Small(www.myspace.com/kirasmall, www.kirasmall.com)っていう凄く可愛らしくて、才能溢れる女性ともうじき結婚をするからなんだ。僕達は何年か前にBerklee College Of Musicで一緒だった。他にもZappa Plays Zappaでお馴染みのJoe Travers。そして残念なことにもう亡くなってしまったんだけど心からの友人だったWes Wehmiller(www.weswehmiller.net)も一緒だった。でもKiraと僕は交際しはじめたのはここ2,3年なんだけど、当時僕はLos Angelesに住んでて、彼女はNashvilleに住んでいたんだ。そして僕は彼女と一緒になりたくてこっちに来たんだよ。今、とても上手くいってる。Nashvilleについてだけど、ここはL.Aと比べてもう色々な意味で違うところが多いよ。先ずは人口だけどここはアメリカ人の僕の感覚で言わせてもらうけどたった750000人しかいない。そしてアメリカの南に位置するところにあって、凄く保守的というか伝統を重んじていて、Losよりも流行からは少し遅れた文化の町だ。それに音楽業界も同じような感じかな。ここだと”American Country”が物凄く中心的な音楽で、構成もメロディーもいたってシンプルで、歌詞に重点を置いたフォークスタイルなものなんだ。でもシンプルだからといって決して素晴らしいプレイヤーが居ないって云う訳ではなくて音楽業界自体の受け口が広いからそんなに細かい事を気にしなくてもNashvilleでは喜んで僕の事を受け入れてくれるし、たとえここのミュージシャン達が僕のようなプレイスタイルではなくても、僕がどんなスタイルなのかも理解してくれるし楽しんでもくれているよ。


ちょっと前にあなたから録音やミックスでとても忙しいけれど、それが凄く楽しいって言っていたよね?新しいAlbumの出来具合はどうなの?

うーん、ここでalbum
の事を言うよりも僕のサイトでメイキングに関して色々書いてあるからそっちを見てもらえるといいな
(http://www.bryanbeller.com/screed.php)。新作は
2006年の410日から取り組み始めたんだけれど丁度丸2年で仕上がった事になるね。驚くほど骨が折れるプロセスだったよ。前作のAlbumは僕にとっての最初のソロAlbumで実際物凄く早く完成したんだ。今思うとそれは逆に僕がAlbumというものがどのように作られていくかを本当に知らなかった証拠だと思うんだ。今作はトラック制作、ミキシング、マスタリングと色々な段階でそれぞれ時間をかけて何が必要で何が必要でないかしっかりと考えながら作業をした。本当に今作の曲やプレイに本当に満足しているし誇りを持っているよ。最初のAlbumよりずっと自分の表現したいものが出来たしみんなに早いところ聴いてもらいたいな。

   

今作のAlbumタイトルは何故”Thanks In Advance”にしたの?


うーん、話すと物凄く長くなっちゃうからなあ。いずれ僕の
web-siteで書くことになるだろうからね。でも短く言うとだけど感謝の気持ちについての事で、人生はこの気持ちがあるからこそ素晴らしいものなんだ。それが何であるのかとか、人にどう思われたいとかそういういやらしい意味ではなくて、なんていうか人として現実に人生に直接関わっている前向きな気持ちの現れでもあるからね。


実際”Thanks In Advence”の具体的なサウンドカラーとかプレイヤーについてとか、ジャケットについて教えてくれるかな?


もちろんいいよ、でもちょっと前に、参加してくれたPlayerに関しては教えたと思うけど、もう一度説明するね。このアルバムで一番重要な意味がある10分位の壮大な”Love Terror Adrenaline” と云う曲でMikeにはギタリストとしてプレイしてもらった。他ギターを弾いてもらったのはGriff Peters, Rick Musallam, Mike Olekshy, and Nashville's Chris Cottros。それからDrummerJoe Travers, Toss Panos, Nick D'Virgilio, Marcus Finnie, Mark NiemiecMarkに関してはエンジニアとしても手伝ってもらったよ。それとあとMarco Minnemann。キーボーディストはJeff Babko, Jody Nardone、それと僕自身、あと愛しいフィアンセのKira。彼女は素晴らしいピアノプレイヤーでもあるんだ。スペシャルゲストとしてSteve Vaiのバンドでヴァイオリンを弾いていたAnn Marie Calhoun、それとZappa Plays Zappaでお馴染みのScheila Gonzales。彼らは本当に信じられないくらい才能があるミュージシャンなんだ。僕のこのプロジェクトに参加してもらって本当に感謝をしているよ。


昨年Vaiのツアーに参加したけれど、何が一番印象的だった?


何が印象的かっていうのは難しい質問だなあ……、云うならば、演奏するだけでも難しい曲を素晴らしいショーの間中あれだけ動き回りあくまでショーに準じる彼の姿勢や演奏能力の高さ、そして常に新しいものを追求していくスタイル、言い上げたらキリが無いけどSteve Vaiの才能に毎晩打ちのめされていたよ。


   



話は変わるけど、作曲スタイルはどんな感じ?


厳密に言うと、一曲一曲それぞれ少し違うけれど、最初に僕はAlbum全体を想像してみて、それぞれ何が言いたいのかを考えるんだ。それから次にその“物語”の部分部分の曲のタイトルについて考えてみて、思い浮かびそうになったら、音楽でその意味を呼び起こそうと試みる為に感覚的に近い曲のタイトルを色々頭の隅から隅まで神経を使って具体的な言葉として“書く”という作業にしてみる。インストロメンタル・ミュージックの作曲家というのは、リスナーに対してその曲が何を言わんとしているのかのヒントとして、曲のタイトルというのは一回だけのチャンスだと思うんだ。だから僕は物凄く慎重に曲のタイトルを選択しているよ。それから次にそのタイトルそのものの音楽が生まれてくるんだ。

   


次に、今の音楽シーンについてどう思う?

実際のところ、本当に僕は最近のポピュラー音楽についてあまり知らないんだ!そもそも僕がおっさんになってしまったということだね。

   

今、興味があることとは?


今僕が一番興味を持っているのはメロディックで歌声のように奏でられているギターミュージックで、John ScofieldMichael Landau、そしてBill FrisellDean Parksもそうだけど、彼らが奏でている音色自体がその音楽全体を創っているように思うんだ。僕も作曲家として同じ様に出来たらと思うよ。それに最近はベースを演奏する事より作曲することが楽しくなってきてる。でも僕はベースプレイヤーだし、それで生計をたてている訳だから根本的にはベースが好きなんだけどね。

   


去年のツアーに関してだけど、リハーサルはどれ位だったの?


Steve Vaiのツアーでは一ヶ月、Dethklokには一週間だった。
(www.myspace.com/dethklok)

  

今でもDweezilとは親交が深いけど、Zappa Plays Zappaのツアーに参加しなかったのは何でかな?それとZappa Plays Zappaに関してはどう思う?


実際のところDweezilと僕自身のタイミングが噛み合わなかっただけなんだ。最初2005年の夏にツアーをする予定で、僕はツアーに参加しようとしていたんだけど2006年の初めに延期されてしまったから参加できなかった。それにもうその頃にはNashvilleに引越していたからまたそれで何ヶ月ものリハーサルの為にロサンゼルスに戻るというのも色々大変だしね、それも理由の一つだった。もちろんツアーには参加したかったよ、でも生活環境がいろいろ変わっていたからね。結局はNashvilleでの生活を選んだんだけれど。だから結果的にいえばよかったのかもしれないな。なぜかと言うと、Zappa Plays Zappaでベースを弾いている僕の友人のPete Griffinは素晴らしいベーシストで僕よりもずっとZappaの熱狂的なファンなんだけれど、彼自身Zappaファンであり続けた事によってZPZツアーにも参加した訳だし、もし僕がZPZツアーに参加していたら、Steve Vaiのツアーや、Dethklokのツアーも行けなかった訳だからね。(ちょっとした話なんだけど----今年ロサンゼルスで行われたWesFest benefit concertPete Griffinは僕のフィアンセのKiraのバンドでベースを弾いたんだ。それを僕とJoe(Travers)が客席で見ていてしみじみと人の繋がりというかミュージシャン同士の繋がりを持てて本当にラッキーだなと思ったよ。)そうそう、こういう感じが今回のAlbum”Thanks In Advace”のタイトルの意味というか言葉で言い表すのは難しいんだけれど、大きなツアーに参加するにもタイミングが合わなくてイライラするのは当たり前だし容易なことでもある。自分が現実に起こっている何かについて不満ばかりの考え方になっていても物事は何も始まらないし良いことが起こっていたとしても気づかないか、さらにまた不満にも思ってしまうかもしれない。だから常に感謝の気持ちを忘れないように務めるということが大事なことなんだ。僕自身、色々な事があったけれど、こういう考え方になって本当に今充実しているし、良い具合に事が運んでいるように思う。


最後に日本のファンへメッセージを


このインタビューを読んでくれている日本のみなさん、ありがとう。僕は本当にいつか来日して僕の音楽をみんなの前でプレイ出来ることを楽しみにしているよ!

   

  Best,
  Bryan


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