猪狩兄弟友情タッグ
作品
パワ8
登場人物

猪狩兄弟・矢部

(練習中口論を始める主人公と猪狩)
主人公「もう一回言ってみろ猪狩!」
守「何回でも言ってやるよ。オマエ達みたいな低レベル選手のやり方じゃあ、ロクな練習にならないと言ったんだ」
主人公「オレだけならともかく、チームメイトを悪く言うな!」
守「ボクは正直な意見を言ったまでさ」
主人公「なんだと!そんなことだから、ごう慢なプライドが鼻についてスカウトされなかったんだよ」
守「なに!」
主人公「なんだよ!」
守「今日の練習を最後にキミ達とは別行動をとらせてもらうよ」
主人公「ああ、好きにしろ!」
進「兄さん、やめて下さいよ」
矢部「そうでやんす。大人げないでやんす」
守「フン!進、こんな奴と一緒にいることはない。行くぞ」
進「兄さん」
主人公「野球がちょっと上手いからっていい気になりやがって。矢部くん、こんな奴放っておいて練習しよう」
矢部「・・・」
進「どうしよう」
矢部「そうでやんすね。いつものケンカとはちょっと違うでやんすね」
進「このままでは本当に兄さん出ていっちゃうかも」
矢部「うーん、なんとかしないといけないでやんすね」
進「そうだ、矢部さん。ちょっと耳貸して下さい」
矢部「え?なんでやんすか?」
進「ごにょごにょ・・・」
矢部「え!いいアイディアでやんすが上手くいくでやんすかね?」
進「大丈夫ですよ、きっと」

主人公「猪狩ってなんであんなに自分勝手なのかな。
(矢部の呼びかけに気がつかない主人公)
主人公「全く、あんな奴出て行く方がいいんだよ。あ!矢部くん。なんだよ、いるならいるって言ってくれたら」
矢部「ずっと声をかけていたでやんす」
主人公「あ、え、そうだった?」
矢部「そうでやんす。さては、さっきのケンカが気になるでやんすね?」
主人公「そ、そんなことないよ、猪狩なんていない方がせいせいするよ。合同練習中だって高飛車な態度で偉そうに命令しやがるし、全く、プライドだけメチャメチャ高いごう慢野郎だよ」
矢部「そのプライドの高い猪狩くんはなぜオイラたちみたいな自分より野球が下手な人達のチームに入ったでやんすかね・・・」
主人公「そんなの知らないよ、おおよそ、自分の自慢でもしたいんじゃないの?大体、いつもいつもオレとの練習であいつは偉そうにオレに指示しやがって・・あ」
矢部「いつもいつも何でやんすか?猪狩くんはいつもいつも一緒に練習して指示してくれたでやんすね」
主人公「・・・・・」
矢部「猪狩くんは本気でオイラ達がダメだと思っている訳じゃないと思うんでやんすよ。ただ少し、伝え方が素直じゃないだけでやんすよ」
主人公「わかっているけど、あいつは・・」
矢部「オイラに付いてくるでやんすよ」

(ジムで練習をする猪狩)
守「はあ、はあ」
進「兄さん!」
守「進か、何の用だ。止めても無駄だぞ。ボクはもうここに残る気はない」
進「兄さん、僕」
守「残りたいならオマエだけ残ってもいいんだぞ」
進「兄さん・・あのね」
守「ん?」
進「いつだったかな、覚えてる?僕があかつき大付属高校に入学して野球部に入部したすぐの事を」
守「進・・」
進「あの時、僕と兄さんがバッテリーの一、二年生チームと三年生チームとの紅白戦で、最終回僕のパスボールで僕たちは負けたよね。そして、試合後に、三年の先輩が『捕手が素人一年の弟でなきゃ勝てたのにな』って言った時兄さんはこう言ってくれたよね。『あれはボクのミスだ!進のせいじゃない!ボクの事なら、何を言ってもいい。だが!進を悪く言う奴はたとえ先輩でも許さない!』って。僕、嬉しかったよ、兄さんの足手まといにならない為にも野球上手くなろうって思った」
守「・・・・・・」
進「きっと、さっきもあの時の兄さんと、同じ気持ちだったんじゃないのかな?」
守「・・・・分かってる、わかっているんだ!でも、あいつを見ていると奴は、上手くなる素質があるのになれ合いみたいな練習しかしない・・・」
進「あの人はやさしいんですよ」
守「え?」
進「たしかに、兄さんから見たら甘く見えるかもしれないけど『自分だけドラフトにかかればいい』じゃなく『みんなでプロに入りたい』そう思っているんじゃないですか?だから、みんなと合同に練習したり、みんながつかれたら、ハードな練習をメニューから外したり、ただ兄さんと一緒にいると、つい張り合ってしまって」
守「・・・そんなこと、お前に言われなくても!あいつの事は十分に・・・」
進「ふふ、矢部さん出てきていいですよ」
(ガサガサと矢部・主人公登場)
守「なに!?」
矢部「猪狩くん、立ち聞きしてすまなかったでやんす」
進「兄さん、ごめんなさい僕が矢部さんにお願いしたんです」
守「進、オマエが!?」
進「どうしても仲直りしてほしくって・・・」
守「進・・・」
矢部「さあ、言う事があるでやんしょ」
主人公「猪狩・・・オレ」
守「なんだよ」
進「矢部さん、ここは二人だけで」
矢部「そうでやんすね」
守「全部聞いてたんだろ?ボクをバカにするなら今がチャンスだぞ」
主人公「猪狩、ごめん」
守「え!?」
主人公「オレ、知らなかったんだ。猪狩がオレたちの事を思ってオレ達のレベルに練習メニューを合わせてくれてオレが誘ったらいつも練習につき合ってくれて・・・」
守「いや謝らなければならないのはボクの方だ。仲間を傷つける様な発言、いまさらかもしれないが取り消させてほしい」
主人公「猪狩、それじゃあチームに・・・」
守「ああ、残っていいか?」
主人公「もちろんだよ猪狩」
守「ありがとう。まったく今回は矢部と進にやられたよ」
主人公「本当だね。でも、これからは猪狩も少しは態度を改めた方がいいぞ」
守「お前ももう少し野球の技術をマシにしないとな」
主人公「はははは・・・なんだと!」

矢部「これで少しはお互い分かり合えたと思うでやんす」
進「矢部さん。今回は無理なお願いしてすみませんでしたね」
矢部「本当でやんす。オイラ慣れないセリフに緊張して、肩がこったでやんす。お互い大変でやんすね。いじっぱりのお守りは」
進「まったくですね」

(中で二人の声が)
主人公「てめー猪狩!」
守「なんだと!」

矢部「あ、今仲直りしたと思ったらまた始まったでやんす。しょうがないでやんすね。ちょっとまた、行って来るでやんす」
矢部「ケンカはやめるでやんす」
進「フフ、兄さん達ケンカするほどなんとやら、なのかな」