| あおいと雷蔵 | |||
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作品
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パワ7 | ||
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登場人物
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あおい・武蔵・矢部 | ||
(練習中・・・)
あおい「あのさあ、20年位前に入団したプロ野球選手なんだけど」
主人公「20年前位?」
あおい「その中に僕のお父さんがいるはずなんだ」
主人公「え!おとうさんが!?でも20年目位の人はいっぱいいるし・・・他に手がかりはないの?」
あおい「うん僕が知っているのはこれだけ・・・」
主人公「そうか、しかもまだ現役でやっているとは限らないしなあ」
あおい「・・・・・」
主人公「ごめん、悪いこと言ったかなあ」
あおい「いやいいの」
主人公「よしこうなったらオレもあおいちゃんのお父さんを探すの手伝ってあげるよ」
あおい「うん、ありがとう。でも僕の問題だから僕一人で探すね。じゃあ」
主人公「あ、ちょっと待てよ・・・」
(後日)
一軍監督「そろそろ早川の人気も下火だなあ。今日の1軍戦で結果が出せなかったらレギュラー降格だな。おい早川、今日の試合の出来次第でレギュラー降格も考えるぞ!いいな」
あおい「はい」
(試合後・・・)
一軍監督「3回1/3で5失点。覚悟は出来ているな」
あおい「・・・はい」
主人公「どうしたの?あおいちゃん」
あおい「ちょっといい?質問があるの」
主人公「なに?あおいちゃん」
あおい「今の僕の事をどう思う?」
主人公「え!どう思うってあおいちゃん、そんなこと急に言われたって。心の準備が・・・」
あおい「バカ、何勘違いしているのよ。そうじゃなくって、僕の野球の実力の話だよ」
主人公「野球の実力?」
あおい「僕はどうしても勝ちたい人がいるんだ。なのにこんなところでつまずいて・・・」
主人公「じゃあ練習すればいい。つまずいたならまた立ち上がればいいじゃないか」
あおい「・・・」
主人公「がんばれなんて月並みかもしれないけどオレも手伝うよ、がんばろう」
??「ふふふ、そういうサポートに必要な人物を忘れてはいないでやんすか?」
主人公「ん!その声は・・・矢部君」
矢部「あおいちゃん、その練習オイラに任せてほしいでやんす」
主人公「え!矢部君が!?」
(数時間経過・・・)
主人公「なに!その球は!」
矢部「あおいちゃん、それでやんす!」
あおい「この球がそうなの!?」
矢部「それがHシンカーことマリンボールでやんす!」
あおい「マリンボール!?」
矢部「しかし、昨日、オイラ本で読んだだけでやんすが・・・まさかこんな短時間で覚えちゃうとはスゴイでやんす」
あおい「後は僕の練習次第だね。ありがとう、僕もう一度レギュラーに今度は実力であがるよ」
主人公「あおいちゃんがんばれ!」
矢部「ちなみにマリンボールはオイラが考えた名前でやんす。そこのところよろしくでやんす」
(別の日)
主人公「今日の練習厳しかったねえ」
あおい「そう?僕は平気だったけど」
(武蔵登場)
主人公「あ、武蔵さん」
あおい「武蔵さん?」
主人公「知らないの?新しくFAで入団してきたすごいプレイヤーだよ」
あおい「へー、そうなんだ。早川あおいです。よろしく」
武蔵「・・・・・」
主人公「武蔵さん、どうかしたんですか?」
武蔵「・・・いやなんでもない。きばれよ、お前達」
(武蔵去る)
主人公「なんか変な武蔵さんだったなあ」
(さらに後日)
主人公「前々から思っていたんだけど、あおいちゃんって本当に練習熱心だねえ」
あおい「・・・そんなんじゃあないよ」
主人公「なに照れているんだよ、あおいちゃんも根っからの野球好きなんだね」
あおい「違うって言っているだろ!僕は野球なんて大嫌いなんだよ!」
主人公「おい、待てよ」
(あおい駆け出す。)
あおい「はあ、はあ」
主人公「どうしたんだよ、訳を言ってくれよ」
あおい「・・・。僕が野球をやっているのは、プロ野球選手になったのは、野球が好きだからじゃない」
主人公「え?」
あおい「僕がお父さんを探しているのは復讐するためなんだよ」
主人公「なんだって?どういう事なんだ?」
あおい「奴は僕が生まれる直前にお母さんを捨てたんだ。それから僕とお母さんは辛く苦しい生活をしていたのに一度も援助はおろか顔すら見せなかった。野球なんかにうつつをぬかして絶対に許せない!必ず思い知らせてやる。探し出して野球勝負で倒して野球選手としての名誉も何もかも奪ってやるんだ」
主人公「・・・・・・」
あおい「だから僕はキミが思っているような人間じゃあないんだよ」
主人公「うーんそうなのかなあ?本当にきみのお父さんはきみのお母さんを捨てたのかなあ?」
あおい「なに!?」
主人公「なにか事情があるんじゃあ・・・」
あおい「だまれ!もういいよ」
主人公「あ、あおいちゃん待って」
(3年目のある日)
主人公「あ、武蔵さーん!」
武蔵「なんだお前は!邪魔だ!どけ!」
主人公「あ!?」
(何が落ちる)
主人公「いてて、手帳落としましたよ・・・。なんだこの手帳、名前が違うぞ!あれ!?いない。あ、写真だ。かなり昔のだなあ、写っているのは若いときの武蔵さんと・・・ん!?こ、この人は・・・そして手帳の名前!」
矢部「あ、なんでやんすかその写真」
主人公「わあ!?」
矢部「どうしたでやんすか?」
主人公「いや、なんでもないよ。あはは・・・」
主人公「武蔵さん!」
武蔵「なんだおまえか、どけ練習の邪魔だ!」
主人公「武蔵さん話があります」
武蔵「なんだと?お前から聞く話などない」
主人公「武蔵さん、いや早川秀一さん。この写真に写っている人はあおいちゃんのお母さんですよね」
武蔵「なに!貴様その写真を何処で!?」
主人公「すみません、先日あなたが落とした手帳を見てしまいました・・・」
武蔵「・・・そうか」
主人公「あなたは会った時から気が付いていたんですね。あおいちゃんがあなたの娘だと言う事に。あおいちゃんは言っていました。あなたがあおいちゃんのお母さんを捨てて野球界に入って来たと・・・本当なんですか?」
武蔵「・・・・・俺の本名は早川秀一。20年前俺と妻は貧乏ながらいつかプロ野球にと思い日々社会人で野球を鍛錬していた。しかし、夢だけでは生きて行けなかった。生活はどんどん苦しくなり借金が出来、プロをあきらめかけた頃にあるいい話が舞い降りてきた。俺が紹介でプロ野球選手になり、その多額の年俸で借金を返済するという話が。昔からの夢と返済とが一緒に解決できる!俺は双手を挙げてその話に乗った。妻には借金を返済すれば迎えに行くと言う約束で単身プロ野球界に乗り込んだんだ。しかしそんなに上手い話は無かった。プロになれたもののタダ働き同然で使われ、返済するどころか、より多くの借金を背負ってしまったんだ。このままでは妻にまで、より過酷な仕打ちを与えてしまう。俺は名前を武蔵雷蔵に替え、素性を断ち、やっとの思いで移籍し、借金を返済し終えた時にはすでに妻は他界した後だった。俺があのとき、くだらない話にのらずにいたら、もしかしたら妻は・・・俺は野球と引き替えに全てを失ったんだ」
主人公「そうだったんですか。それで写真の後ろにこんなメッセージがあったんですね。ならそれをあおいちゃんに説明しなきゃ!あおいちゃんは貴方に復讐する気ですよ」
武蔵「ああ・・・」
主人公「武蔵さん!」
武蔵「だまれ!ここからは俺達の問題だ!俺がきっちり形をつける」
主人公「武蔵さん・・・」
(そして、三年目の秋季キャンプ・・・)
あおい「あ、武蔵さん」
武蔵「・・・早川あおい・・・」
あおい「はい?」
武蔵「話がある。グラウンドまで来てくれ」
あおい「はあ!」
矢部「あ!武蔵さんとあおいちゃんがグラウンドに行ったでやんすよ」
主人公「な、なんだって!?」
あおい「そんな貴方が父だったなんて・・・」
武蔵「そうだ、俺がお前の父であり憎き復讐の相手だ」
あおい「許せない、母を捨てた罪は許せない。僕と勝負だ」
武蔵「俺が許せないか。いいだろう。負けたら俺は野球そのものを辞めてやる」
あおい「勝負は3球でいいよね」
武蔵「ああ」
あおい「じゃあ行くよ」
(主人公、駆けつける)
主人公「しまった!もう勝負が始まっている!」
(あおい初球を投げ込む)
あおい「どうしたの、後2球だよ」
(2球目も投げ込み・・・)
あおい「これで2球、次でラストだよ!」
主人公「・・・・・。もしかして!?」
武蔵「ふふ、あと1球で吹っ切れる。天国の妻にやっと償いが出来る」
主人公「だめだ!あおいちゃん!その球を投げちゃあだめだ!」
あおい「止めないで!あなたには関係ないでしょ!」
主人公「武蔵さんはこの勝負負ける気なんだ!」
あおい「え!?」
主人公「あおいちゃん、武蔵さんはお父さんはキミのお母さん捨てたんじゃあ、なかったんだ!」
武蔵「・・・」
あおい「どういう事?」
主人公「あおいちゃん、実は・・・」
(武蔵の話をあおいにする主人公)
あおい「え!それは本当なの!?武蔵さん!」
武蔵「ああ・・・」
あおい「僕は信じないよそんな話!この人の作り話かもしれないじゃない」
主人公「あおいちゃん、これを見てもまだそんなことを言うのか!」
あおい「なにこれ、写真!?これはお父さんとお母さん?」
主人公「写真の後ろを見て」
(その写真には「貴方が野球をしている姿が一番好きです」とあった)
あおい「この字はお母さんの字・・・」
主人公「全てが解っただろう。武蔵さんは天国のお母さんにせめてもの償いで20年間ずっと輝いていたんだよ」
武蔵「すまなかった、あおい・・・俺がいなかったばかりに母さんやお前に・・・」
あおい「わたし・・・」
主人公「後は二人だけで話し合って下さい」
(数日後)
矢部「武蔵さんまたFAで行ったみたいでやんすね」
主人公「そうか武蔵さんは残りの人生もまだ力の限り光り続けるんだな」
あおい「そうね」
主人公「あ!」
あおい「どうしたのそんなに驚いて」
主人公「いやあのお父さんと・・・」
あおい「ああ、もういいのよ。私、わかったの。お父さんもお母さんもお互い信じ合っていたって。その歯車が少しずれただけだって。それに私の父は早川秀一であって武蔵雷蔵なんて人じゃないしね。ほら、あんた来年から一軍レギュラーでしょ!こんな所で油売っていていいの?」
矢部「そうでやんす!練習の時間に遅れるでやんす!」
主人公「わあー」
あおい「野球か・・・・・。結構本気でやっても面白いかも!今度は大勢の観客のいる前で正々堂々とお父さんと戦ってみたいな・・・なんてね」