Experten Decals ED-1
August 2001
ADDENDUM:
Fw 190 D-9 “Rote 13”, JV 44
日本語版
Back to home
translated by N.Dejima
私の出版の後で(1)、新しいRote13の写真がいくつか見つかり、そこ
から、当初の1枚の写真に基づく説明の殆どが再確認でき、更に他に
新事実も判明しました。
写真はドイツの航空雑誌Jet&Prop(2)に、正式な記事の一部として掲載し、
その中のいくつかのカラープロファイルを作成する参考としました。
更に、これらの見なおし結果とイラストを掲載した資料を後で追加する
と共に(3)、このテーマに関連する他の本で写真を公開しました(4,5)。
このような経過でRote13に関する従来知識に以下の情報を加えました。
・スピンナーの先端は白でなく、黄色であり恐らくRLM04。
・機体表面の書き込みを他の角度から確認することができ
その結果最初に考えられた解釈と文字のレタリングが事実にほぼ
近いものであり、最初の写真の質は満足するべきものだった事が
分かりました。また文章に関して、文法的な誤りがあったことが
確認できました。「die」の単語は「wir」に置きかえられ、
全体の文章は「Rein mus er und wenn wir beide weinen」
と判明しました。(訳注:wirはsieでないかとのご指摘があり、
著者に問い合わせ中です。掲示板を御覧下さい)
・主翼下面のストライプの位置が一層正確に判明しました。
・当初機体下面に取りつけられていたのMorane FuG 16ZY
アンテナは鹵獲後に取り外された事が分かりました。
1999年に Rote13ともう一機のJv44Dora,Rote3の新しい写真が
公開され(5)、そこからWerknummereは400240でなく、213240である
ことが分かりました。213000以降のWerknummerの機体はそれまで
知られていませんでしたが、多くの写真により確認する事が出来ました
(4)(5)。
この機体と同様に塗装された機体の、外観、独特の迷彩色、更に
Rote13に製造プレートが2枚付いている事から、これらの機体がA-8を
再使用して生産されたことが分かります、同様な特徴や2枚のプレートの
存在はBf109G-10等にあるリサイクル生産機でも見ることが出来ます(7)。
Werknummerや機体の書き込みの不足に対応するために、2枚の1/72
用デカールシートが準備されています。これらは上記の変更に対応する
ための必要な文字と番号を含んでいます。
機体下面の白線の位置の修正を含む情報の入手のために、モデラーの方
にはwebpage(www.stormbirds.com/experten)で公開される予定の
新しい写真や、他の参考文献を参照するようお勧めします。
参考文献:
1. Brown , D. E., and Wadman, D, 1993:
History, Camouflage and Markings of JV 44 and JG 6 Focke-Wulf 190 D-9s.
Experten Decals Nos. 48-1 and 72-1,
Experten Historical Aviation Research Inc., Calgary, Alberta, 30p.
2. Brown, D. E., and Wadman, D., 1995:
Bunt Schuetzt vor der eigenen Flak. Jet & Prop Magazin, 3/95,
pp. 29-30, 39-44, 66.
Verlag Heinz Nichol, Postfach 16 47, 66466 Zweibruecken, Germany.
3. Davison, D. W., 1995: Papagei Staffel Fw 190 Ds. Series of three 1/32
scale colour prints (Rote 1, 4 & 13). Adler Graphics,
P.O. Box 1942, Longmont Colorado, 80502-1942, USA.
4. Forsyth, Robert J., 1996: JV 44 - The Galland Circus. Classic Publications,
Quarry Ridge House, 7 Quarry Close, Burgess
Hill, West Sussex RH15 0TJ, England, 356p.
5. Crandall, J., 1999: Doras of the Galland Circus ? Eagle Files #1.Eagle Editions,
Hamilton, 74p.
6. Rodeike, P., 1999: Focke Wulf Jagdflugzeug ? Fw 190A, Fw 190 “Dora”,
Ta 152H. Struve-Druck, Eutin, 444p.
7. Prien, J., and Rodeike, P., 1993: Messerschmitt Bf 109 F, G & K Series ?
An Illustrated Study. Schiffer Publishing Ltd.,
Altglen, 208p.
ADDENDUM:
Fw 190 D-9 “Rote 1”, JV 44
translated by N.Dejima
Rote1の機体下面の、塗装に関して、長期間に亘り多くの議論があり。我々は
最初の本(1)の準備の間、この点に付いて大変苦しい状態に有りました。
。もっとも簡単な方法は、「赤」と言い切ってしまい、それで済ませてしまう事
だったかもしれません。しかし「そんなに簡単では無い。」と言う思いが我々を
悩ませました。というのは赤色塗装と言われたフットステップが1枚の
モノクロ写真においては、その明度が明らかに胴体左舷の「1」の番号よりも
明るかったからです。この結果から我々は機体の胴体下面の塗装が黒色
だと解釈しました。
また多くのソースから得られる全ての知られた写真がorthochromatic
filmと多種のレンズフィルターを用いて撮影された筈は無いと信じていました。
その場合全ての赤色は黒色として表現されます。
更に困ったのは、前線で撮影された写真に見られる、黒色塗装の下面に
描かれた、単純化された黒色Balkenkreuzの外形がかすかに分かる事
でした。どのような理由かは分かりませんが、多くの異なった機体の写真で、
国籍マークは興味深い性質を持っており、はっきりと光を反射します。
これが、翼下面の十字を認識できる理由だと信じていました。
従って、下面が赤色で塗装されていると考えれば完全に状況を説明できる
とはいえ、どちらかと言えば、黒色である可能性の方が強いと言う苦しい状況
が生じました。
我々の仲間であるEddie Creek とRobert Forsyth も長い間そのように信じて
おり、彼らの本(2)にあったカラー側面図の赤色は好ましくないと考えていました。
Rote13の場合と同じようにRote1について、その後多くの写真が発見され、
下面が赤色に塗装されていた可能性が高いことが分かって来ました(4)。
部隊マークにある輪も赤色に塗られており、さらに胴体の文字のよりはっきり
した写真から最後の単語は感嘆符を伴った「himmel」であり、最初考えられて
いた「himmeil」のバリエーションではないことが分かりました。
先に述べたように、1995年にJv44のDORA-9部隊に関する8ページの記事を
Jet&Propに発表しましたが、それはカラー4面図と多くの新発表の写真を
含んでいました(4)。その後で読者から著者に対していくつかの重要な書簡が
寄せられ、記事の中のいくつかの論点に関する議論がありました。
最も重要だったのは、それまではJv44のパイロットであることが知られてい
なかった旧東ドイツの作家からのもので、彼は他のパイロットともにJv44
のDoraで飛行していました。
Bodo Dirschaurer氏は部隊にあったいくつかの機体は下面が異なった、
パターンと色で塗装されていたことを記憶していると語りました。これは上記の
議論と密接に関係が有る点です。
ここで議論の最初に戻ってはどうでしょうか?
ともかく彼は全ての機体は赤で番号が描かれており、それらはRote1,2.4,5,
7、13だったと言っていました。これは機体の番号と下面が赤色だったという、
説を支持しています。
彼による6機のリストアップから興味深い疑問が生じます。1945年4月26日付の
公式のLuftwaffeの報告書に拠れば、Jv44は5機のFw190D-9/11を保有して
おり、その内の3機が稼動機でした。Dischaurer氏の言う6番目の機体は何
だったのでしょう?それは実在したのでしょうか?もしそうならばなぜ公式記録
に無いのでしょうか?ともかくこれが彼が知られるきっかけとなり、その後彼の
手記がRobert ForsythのJv44の本(3)で公開されました。
Dirschaurer氏によればRote13は最も高速のDoraであり、またHeinz
Sachsenberg少尉が多くRote1に搭乗したとのことでした。このことから
現在彼がこの小部隊の指揮官であり、この機体が彼の搭乗機だったという
定説(3),(4)を確認する事が出来ます。
他の機体に関しては撮影日付の分かる写真から米軍により1945年4月末に
2機のDoraがミュンヘンで発見された事が判明して、それはRote1とRote4
でした。更に米陸軍の文書館には、1週間後アインリングで発見された全ての
機体のリストがあり、それに3機の長鼻Fw190が飛行場に放置されていたと
述べています。上に述べたように1945年4月26日のミュンヘンの5機のDora
の内の2機が非稼動だったので、それがRote1とRote4だったとと考えられます。
Rote13と残りの2機のDoraであるRote3と機番未確認の1機はアインリングで
終戦を迎えました。私はいつかこの最後の機体の写真が関係者のアルバム
から発見される事を期待します。
モデラーの皆さんの為に2種類のデカールシートが発表されており
そこから切り取っていただければ、黒だった部分を赤に置きかえると共に、書き
込みの単語を修正する事が出来ます。
最後に纏めますとこの2機について言えば、我々が最初にJet&Propに発表した
文書が100%正確なわけでは有りませんでした。
後から言える事ですが、我々は事実に近いところまでは到達していたと思い
ます。時間が更に経過すると共に、我々自身や他の研究者達が新しい情報を
知ることが出来て、この部隊や機体のそれまでの知識を修正することができ
ました。将来もさらに新しい情報がこの魅力的な部隊とその機体に対して付け
加えられて行くことと思います。
引用文献:
1. Brown, D.E., and Wadman, D., 1993:
History, Camouflage & Markings of JV 4 and JG 6 Focke-Wulf 190D-9s ?
Experten Decals No.1. Experten Historical Aviation Research, Calgary, 30p.
2. Brown, D.E., and Wadman, D., 1995: Bunt schutzt vor der eigenen Flak ?
Die Geschichte der Papagei-Staffel im Jagdverband 44. Jet & Prop,
Issue 3/95, pp.29-44, 66.
3. Forsyth, R., 1996: JV 44 ? The Galland Circus.
Classic Publications, Burgess Hill, 356p.
4. Crandall, J., 1999: Doras of the Galland Circus ? Eagle Files #1.
Eagle Editions, Hamilton, 74p.
5. Brown, D.E., and Wadman, D., 1995:
History, Camouflage & Markings of JV 44, JG 6 and JG 1 Focke-Wulf 190Ds ?
Experten Decals No.3. Experten Historical Aviation Research, Calgary, 36p.