スジボソヤマキチョウ Gonepteryx aspasia

真夏の高原で、優雅な翅形をしたこの蝶をはじめて手に取った時、汗ばんだ手が震えたのを覚えています。
夏の思い出...この不思議な蝶には、なぜかこの言葉がよく似合います。

本州と四国の山地に分布し、7月から秋にかけて、食樹のクロツバラやクロウメモドキの自生する山地の渓谷や、
高原で見ることができます。
本州中部の山地では、それほど珍しい蝶ではありませんが、その他の地方ではそうでもないようです。
九州にも以前は生息していましたが、現在は絶滅してしまっています。
国外では、中国から朝鮮半島にかけて分布。

この蝶は、成虫の状態で冬を越すため、春先にも越冬した個体を見ることができます。
また、低地の温暖な場所では夏場に夏眠することが知られています。
左の画像は、かなり標高の高い場所ですが、真夏の暑いときには日差しを避けるように、
葉の裏に静止しているのをよく見かけます。


Jul. 1999 長野県 南安曇郡 安曇村
川原で吸水する雄


Jul. 1999 長野県 南安曇郡 安曇村
クラクラするような真夏の渓谷で。
こうしてとまっていると、木の葉にそっくりです。


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