キアゲハ Papilio machaon

同じアゲハチョウ科のアゲハによく似ていて、飛翔中は慣れないと区別がつきません。
よく見ると、色がやや黄色いのと、前翅の付け根が黒色になっているのが大きな違いです。
また、全体の印象が、より洗練されている感じがします。

アゲハのように都市部にはあまり見られませんが、それでも人家周辺によく見られる蝶です。
アゲハの方はあまり深い山地には見られないのに対し、こちらは平地から2000mを超えるような 高山地帯まで生息が知られており、垂直水平分布共にむしろ広く、国内では屋久島より北に広く分布しています。
開けた見通しの良い山頂や尾根で、オスが縄張りを張っているのをよく見かけます。
セリ科の各種が食草で、シシウドなどの野生種の他、ニンジンやパセリなどの栽培植物も食べるため、 畑の作物でも発生します。食草の生える環境から、開けた明るい場所によく見られます。
この蝶は北方系の種で、国外ではユーラシア大陸と北アメリカ大陸の北部に広い分布域を持っています。

桜の咲く頃から、初秋の頃まで地域により2回から数回の発生をし、さなぎの状態で冬を越します。
第一化の春型は普通、アゲハよりも一足早く見られ、他の多くのアゲハチョウ科と同じく二まわりくらい 小型です。


Sep. 1998 山梨県 市川大門町


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